全大

全大(ぜんだい)とは?

全大(ぜんだい)とは、手牌のすべての面子と雀頭が、数字牌の「7・8・9」のみで構成される特殊な役です。数字牌の中でも大きな数字(7以上)だけを使って和了形を作るため、『全大』という名前が付けられています。国標麻雀では24番(ファン)の高得点役とされ、完成すると非常に大きな点数が獲得できます。

全大の基本ルール・成立条件

  • 使用できる数牌は「7・8・9」のみ:萬子、筒子、索子のいずれでも構わないが、必ず7以上の数字だけを使用すること。それ以外の数字(1~6)や字牌は一切使ってはいけない。
  • 基本的な和了形(4面子+1雀頭)を満たす:面子は順子・刻子・槓子いずれでも構いません。雀頭も必ず7・8・9のいずれかの数字でなければいけません。
  • 副露(チー・ポン・カン)をしても成立可能:門前清でなくても、鳴いて完成させても役は成立します。

例示的な牌形

  • 手牌:7-8-9筒、7-8-9筒、7-8-9筒、9索刻子、7筒雀頭
  • 説明:7・8・9のみを使い、シンプルな順子中心に構成された全大。

全大の注意点

  • 配牌時のスピーディな判断が重要:配牌の段階で「7・8・9」が多く集まっている場合、早めに全大を意識した打牌を開始します。配牌が中途半端な場合は無理に狙わず、柔軟に他の役を視野に入れて手作りしましょう。
  • 7・8・9の牌の活用法:7・8・9だけを使うため、順子(789)を作りやすく、特に順子を中心に構成すると完成速度が高まります。しかし、刻子を作るには同じ牌が3枚以上必要になるため、場の牌の出具合を見て、順子と刻子どちらをメインにするかを慎重に決定しましょう。
  • 副露(鳴き)戦術をうまく使う:全大は鳴いても成立するため、チー・ポンを積極的に活用すると完成速度が早まります。ただし早すぎる鳴きは他家に役が明らかになり、必要牌が出にくくなるリスクもあるため、鳴くタイミングを状況に合わせて慎重に判断します。
  • 他家の警戒をかわす:他家に全大を狙っていることがバレると、7・8・9の牌を絞られます。序盤はやや曖昧な切り出しを意識し、中盤以降一気に手牌を進める戦術が有効です。また、手牌の一部を伏せ気味に進めて、手役を特定されにくくする工夫も必要です。
  • 守備面のリスク管理:全大を狙う過程では必然的に手牌が偏り、防御力が低下します。不要な牌(特に1~6や字牌)を早めに安全牌として処理し、守備力を確保しましょう。
  • 他の役への切り替え可能性を常に意識:全大を狙いながら、状況次第では「混一色」「清一色」「碰碰和(対々和)」など他の役へと切り替えられるように牌を組み合わせていくことが大切です。無理な固執は失敗につながるため、臨機応変な判断力を持ちましょう。

他の役との組み合わせ

  • 清一色(24番)との複合:一つのスート(萬子・筒子・索子)だけで揃えれば、清一色が複合します。合計48番という非常に高い得点になります。
  • 碰碰和(対々和・6番)との複合:面子をすべて刻子で揃えると、碰碰和も成立します。合計30番以上が容易に狙えます。
  • 混一色(6番)との複合:一つのスート+字牌の構成でも可能ですが、全大では字牌が使えないため混一色との複合は基本的にありません。
  • 無字(1番)との複合:字牌を一切使用しないため、無字が自動的に複合します(ただし点数は低め)。