全不靠

全不靠(チュエンブーカオ)とは?

全不靠(チュエンブーカオ)は、国標麻雀における12翻の役種の一つで、各牌が互いに関連性を持たない独立した14枚の牌で構成された特別な和了形を指します。全不靠は、3種類の花色それぞれから「147」「258」「369」のいずれかの数字牌を選び、さらに東・南・西・北・中・発・白の字牌を組み合わせた、計14枚の単独の牌で構成される和了形です。これらの牌は互いに順子や刻子を形成せず、全てが独立していることから「全不靠」と呼ばれます。

全不靠の基本ルール・成立条件

  • 3種類の花色から「147」「258」「369」のいずれかの数字牌を各1枚ずつ選ぶこと:例えば、萬子から「1」、筒子から「4」、索子から「7」を選ぶなど。
  • 東・南・西・北・中・発・白の字牌を組み合わせること:これらの字牌は全て単独で存在し、対子や刻子を形成しません。
  • 合計14枚の牌で構成されること:全ての牌が独立しており、順子や刻子を形成しないことが必要です。

例示的な牌形

  • 手牌:二萬(萬子の1)、五萬(萬子の5)、 三筒(筒子の3)、六筒(筒子の6)、九筒(筒子の9)、一索(索子の1)、四索(索子の4)、七索(索子の7)、東・南・西・北・発・白。
  • 解説:この手牌は、各牌が互いに関連性を持たない独立した14枚の牌で構成されており、全靠の条件を満たしています。

全不靠の注意点

全不靠の戦術上の注意点

  • 手牌のバランス:全不靠は特殊な手役であり、通常の順子や刻子を作らないため、手牌全体のバランスを考慮しながら進行する必要があります。
  • 字牌の活用:字牌は全不靠の構成要素として重要であり、序盤から字牌を積極的に集める戦略が有効です。
  • 他家の捨て牌の観察:他家の捨て牌を注意深く観察し、自分の必要な牌が場に出ているかを確認することで、手牌進行の判断材料とします。

特殊な状況

  • 七星不靠との関係:全不靠の構成において、7つの異なる字牌(東・南・西・北・中・発・白)を全て含む場合、七星不靠という役となり、24翻が与えられます。
  • 組合龍の成立:全不靠の構成中に、3種類の花色から「147」「258」「369」を全て含む場合、組合龍という役も同時に成立し、追加の翻数が加算されます。

他の役との組み合わせ

全不靠は、その特殊性から、他の一般的な役と組み合わせることは困難です。しかし、上記の七星不靠や組合龍など、特定の条件下で追加の役が成立する場合があります。また、全不靠は必然的に門前清(メンゼンチン)となるため、自摸(ツモ)和了時には不求人(フーチューレン、4翻)は計算されません。