全中

全中(チュエンチョン)とは?

全中(チュエンチョン)とは、手牌を構成するすべての面子(順子・刻子・槓子)および雀頭(対子)が、数字牌の「4・5・6」のみで作られた和了形のことです。数牌の中間的な数字「4・5・6」だけを使って構成するため、『全中』という役名がついています。国標麻雀では難易度が高く、完成すれば24番(ファン)という非常に高い得点が得られます。

全中の基本ルール・成立条件

  • 使用できる数牌は「4・5・6」だけ:萬子、筒子、索子のスートはどれでも構わないが、必ず4~6の数字のみで構成すること。「1~3」「7~9」の数牌や字牌は一枚でも含んではいけない。
  • 基本的な和了形(4面子+1雀頭)を満たすこと:面子は順子、刻子、槓子のいずれでもよいが、数字が4~6の範囲内である必要がある。雀頭も必ず4・5・6の数字牌で構成する。
  • 副露(チー・ポン・カン)をしても成立可能:門前清(鳴かない)でなくても役は成立します。

例示的な牌形

  • 手牌:4萬刻子、5萬刻子、6萬刻子、4-5-6筒、4筒雀頭。
  • 説明:萬子の4・5・6だけで構成された全中。

全中の注意点

  • 配牌段階での判断が重要:配牌時に「4・5・6」が多く集まっている場合のみ、全中を意識した手作りを開始しましょう。配牌が中途半端な場合、無理をすると手牌が崩れるため、他の役への切り替えを早めに検討しましょう。
  • 順子主体か刻子主体かを早めに決定する:「4・5・6」の牌は順子(456)を作りやすく、効率的に進めやすいです。一方で、刻子を作るには同じ牌が3枚以上必要なので難易度が高いです。できれば順子主体で構成を進めつつ、自然に揃った刻子候補を逃さず活用しましょう。
  • 副露(鳴き)を戦略的に使う:全中は副露しても役が成立するため、チーやポンを上手く活用すると完成スピードを高められます。ただし序盤で露骨に鳴きを多用すると、手役が他家に察知され、必要な牌が止められます。中盤以降、確実に完成に近づくタイミングで副露を仕掛けましょう。
  • 他家の警戒に対する対処法:牌の偏りにより全中を狙っていることが他家に察知されやすく、4・5・6の牌を絞られる危険があります。序盤はなるべく手を隠し、中盤以降に一気に動くことで、他家の警戒をかわすように意識します。
  • 防御力の低下リスクを管理する:全中を狙うと牌が極端に偏り、防御的な手組みが困難になります。手牌に不要な牌(字牌や1~3、7~9など)は早めに整理し、適度な安全牌を確保しておくことが重要です。
  • 他の役との切り替え柔軟性を持つ:全中が難しいと感じた場合、「清一色」や「断么九」「平和」などへの移行を柔軟に考えましょう。無理な固執を避け、状況次第で柔軟に役の方針転換を図ることで勝率を上げます。

他の役との組み合わせ

  • 清一色(24番)との複合:同じスート(萬・筒・索)のみで4・5・6を揃えれば成立。両役合わせて合計48番という非常に高い得点になります。
  • 碰碰和(対々和・6番)との複合:すべての面子を刻子で構成すると、碰碰和が複合。合計30番以上を狙うことが可能です。
  • 断么九(タンヤオ・2番)との複合:4~6のみの数牌で構成するため、自然に断么九が成立します。さらに2番が加点されます。
  • 平和(ピンフ・2番)との複合(門前清時のみ):順子のみで構成し、雀頭が役牌でない場合、門前清で平和が複合します。