三暗刻(サンアンコー)

三暗刻(サンアンコウ)とは?

三暗刻(サンアンコウ)は、和了時に暗刻(あんこう)=門前で揃えた刻子を3組以上含む手役です。「暗刻(あんこ)」とは、自分でツモって揃えた3枚組(ポン・チーなどの副露によらず完成した刻子)を指します。つまり、ポンしていない刻子が3組あることが三暗刻の基本条件です。残りの1組(4つ目の面子)は暗刻でも明刻(ポンした刻子)でも順子(チー)でも構いませんが、そのうち3組は必ず暗刻である必要があります。

三暗刻基本ルール・成立条件

暗刻3組以上

  • 暗刻とは、自家ツモで同じ牌を3枚揃えること。途中で他家の捨て牌を鳴いた刻子(明刻)は含みません。
  • 三暗刻の成立には、門前で揃えた刻子が3組必要です。

  • (1) 暗刻A暗刻A + 暗刻B暗刻B + 暗刻C暗刻C + 明刻or暗刻or順子明刻or暗刻or順子 + 雀頭
  • (2) 暗刻A暗刻A + 暗刻B暗刻B + 暗刻C暗刻C + 暗槓暗槓 + 雀頭(暗槓は暗刻の拡張形としてカウントされる)

門前限定役ではない

三暗刻と聞くと「門前でなければならないのでは?」と誤解されがちですが、他の面子の一部をポンしていても構いません。 ただし、三つ分の刻子がすべて暗刻であることが重要です。例えば「暗刻3組+明刻1組」を鳴いている場合でも、三暗刻は成立します。

三暗刻の注意点

四暗刻(役満)への発展

  • 三暗刻を狙う過程で、暗刻が4組揃えば四暗刻(スーアンコウ)という役満に化けます。
  • 特に「暗刻3組+対子1組」のテンパイになったら、「対子が暗刻になれば役満」という夢の形です。
  • ただし、他家からその対子の牌が出てもポンすると明刻になり、四暗刻成立を逃すため、あえて鳴かずツモりに行くという高打点志向の判断が重要になります。

鳴きを活用するケース

  • 三暗刻は、残りの1面子をポンして作ることも可能なので、暗刻は3組だけ死守しつつ速度を上げるという戦術が使えます。
  • 例えば、序盤にいくつか暗刻が揃っており、他家の捨て牌で簡単に手牌が進む牌が出たら、ポンしても三暗刻の条件を満たせるならOK。
  • ただし、うっかり暗刻を崩したり、作りかけの暗刻を途中で副露して明刻にしてしまわないよう注意が必要です。

対々和(トイトイ)・三暗刻の使い分け

  • どちらも刻子を主体とする役ですが、 対々和(トイトイ)は「4刻子+雀頭」。多くはポン多用。三暗刻は「暗刻3組+もう1面子+雀頭」。
  • 対々和と三暗刻の複合はありえますが、4刻子のうち3つが暗刻なら三暗刻にもなるため、対々和+三暗刻=合計4翻以上が見込めます。
  • 一方で、ポンした刻子(明刻)が多いと三暗刻ができなくなる可能性が高くなるので、最初から対々和に寄せるか、三暗刻や四暗刻を狙うか局面を見て選択します。

ドラとの相性

  • 刻子系の手役なので、もしドラ牌を暗刻で揃えれば一気に高打点が見込めます。
  • 赤ドラ(赤5)を暗刻にできると一度にドラ3を獲得できるため、三暗刻2翻+ドラ3だけで子なら満貫(8000点)相当です。
  • ただしドラ牌が自分の手元に多く来ないと揃わないため、特に赤ドラルールでは配牌で赤5が2枚、3枚…と偏った場合のみ大きなチャンスとなります。

待ち形の読み合い

  • 三暗刻の場合、最終的に「暗刻×3+(明刻or順子or暗槓)+雀頭」の和了形が多く、ロンで揃えるかツモで揃えるかが微妙になることがあります。
  • もし最後の面子を他家からの捨て牌でポンしようとすると暗刻が足りなくなる(=明刻の数が増えすぎる)場合もあるため、自分が暗刻にしたい牌は鳴かないという打ち分けが必要になる場面があるでしょう。

四暗刻単騎待ち問題

  • 「暗刻3組+対子1組」のテンパイ状態で、最後の対子が暗刻になれば役満四暗刻。しかし、他家から出る牌をポンすると三暗刻止まり。
  • ここで単騎待ち(対子待ち)になることが多く、あえてロンせずツモ狙いに走る“見逃し”戦術を取る場面もあります。
  • 見逃しが失敗すると結果的に三暗刻も逃す可能性がありますが、役満の魅力から「攻める」選択がなされることも珍しくありません。

ローカル役の四暗刻単騎

  • 上述のように対子が暗刻になり四暗刻単騎待ちが成立すると、通常のルールでは「四暗刻」という役満になります。
  • それでも「単騎はダブル役満扱い」などのローカルルールが存在する場合がありますが、競技麻雀では採用されないのが一般的です。

三槓子との複合

  • 三槓子(サンカンツ)は槓子3組を作る1翻役で、三暗刻と同時に成立する場合があります。
  • 例えば「暗槓×3組」+「暗刻1組」+「雀頭」という形なら、三暗刻(2翻)+三槓子(1翻)の計3翻となります。
  • ただし槓を3回行うこと自体が難しく、さらに暗刻を3組維持するのも容易でないため、非常にレアなケースです。

門前 or 鳴き手

  • 三暗刻を大きく狙うなら門前を維持してリーチをかける(リーチ+三暗刻2翻=3翻以上、裏ドラにも期待)手もありますし、
  • 一部だけポンして速度アップし、他の3組を暗刻で揃える道もあります。
  • 場況によって守備・打点・速度のいずれを重視するかを判断しましょう。