平和(ピンフ)

平和(ピンフ)とは?

平和(ピンフ)は、日本麻雀で比較的頻出する1翻役のひとつです。「門前で4つの順子(チーの形)+役牌以外の対子(雀頭)+両面待ち(リャンメン待ち)」という要件をすべて満たすことで成立します。見た目は「オール順子の手+飜牌じゃない雀頭+両面待ち」という形になるため、点数が安くなりがちですが、門前限定のためリーチや自摸と複合しやすく、最終的には大きい手に化けることもあります。

平和の基本ルール・成立条件

門前であること

ポン・チー・明カンをしていない(副露なし)状態でなければ、平和は成立しません。暗槓(アンカン)は門前を崩さない扱いなので、暗槓を含めていてもOKですが、手牌構成が純粋な「順子×4+対子」である必要は変わりません。

4つの順子(面子)があること

  • 面子(メンツ)はすべて順子(チー)でなければなりません。刻子(ポンの形)、槓子(カンの形)が1つでも含まれていると平和にはなりません。
  • そのため自然と端牌~7の連続系を中心に手を作ることになります。

雀頭(対子)は場風牌・自風牌・三元牌以外

  • 雀頭(対子)として、自風(例:自分が東家であれば東)、場風(その局の場風)、三元牌(白發中)などの役牌を使っていると、役牌が付いてしまうため平和は成立しません。
  • つまり、字牌を対子にするときは、それが役牌に当たらない字牌のみOKです(対子が西でも、場風でも自風でもなければ、ただの「字牌」であり役にならない)。
  • 数牌(萬子・筒子・索子)の対子であれば原則問題ありません。

両面待ちで和了すること

  • 待ち形が両面(リャンメン)でない場合、平和にはなりません。 両面待ち=「456であれば待ちは3か7のように、両隣に当たる2種の牌を待つ」形。カンチャン待ち(中張牌1枚のみ待つ)やペンチャン待ち(端牌1枚のみ待つ)、単騎待ち(対子待ち)などは平和になりません。
  • ただし「両面を含む複合待ち」の場合(例:ピンフ形の両面待ち+もう一方のブロックで単騎も併せ持つ)はルールによって扱いが分かれる場合がありますが、一般的には実際に和了した部分が両面であれば平和が認められます。 例えば「三面張などの複合待ちの中に両面待ちが含まれ、両面部分で上がった」場合は平和がつくことが多いです(競技ルールではOKとされることが多い)。

平和形の点数計算(符計算)

  • 平和は特殊で、理論上「20符固定」(門前ロンは30符になる例外はあるが…)と言われることが多いです。
  • ただし、実戦で平和をロンで和了するとツモ符を省いても最低30符になる(「門前ロンは+10符」という一般ルール)ため、ロン和了時は1翻30符=1000点(子の場合)前後が相場になります。
  • 自摸和了時は20符2翻相当(リーチ・自摸込みならさらに翻数加算)など、実際の符計算はやや複雑ですが、平和は常に符が低くなりがちなので「安手だけど和了しやすい」役と言えます。

平和の注意点

安手をダマテン(黙和了)にする選択

  • 平和形のテンパイをダマにしておくと、和了率はさらに上がります(相手の警戒が少ないため)。
  • ただし、出和了しても1翻30符=1000点ほどの安手になることが多いので、裏ドラや一発に期待するならリーチ、一方「場の状況的に1000点だけでも上がれれば十分」というならダマも有効です。
  • 裏ドラなしでもドラを複数枚持っている場合は、ダマでもそこそこ高くなることがあるため、場況次第で使い分けます。

平和の作りやすさ

  • オール順子を揃えるには、中張牌(2~8)が多いほど有利です。また、字牌を切り捨てながら進めるのが基本戦略。
  • 立直麻雀の現代では、平和は「最もオーソドックスに狙いやすい門前役」であり、初心者から上級者まで頻繁に利用します。
  • 両面待ちを意識して手を組むと自然と平和形になりやすいので、「迷ったら平和」ぐらいの感覚でも良い場合が多いです。

役牌対子・刻子を避ける

  • 平和は刻子が一つでも入るとアウト。役牌対子でもアウト。
  • 途中で役牌を対子に仕上げるか、平和を狙うかの分岐点が来ることがよくあります(例:初手で白白が対子になったが、平和狙いなら捨てるか、役牌狙いならキープするか)。
  • ドラが絡んだ刻子を作るか、平和形で安定した両面待ちにするかなど、打点と和了率のバランスを考えるのが重要です。

振り込みの危険度

  • 平和形=両面待ちが多いので、相手に読まれづらい&放銃しづらい形といえます。
  • 逆に言えば、自分が平和手を狙う時は好形(両面や三面張)のツモ効率が高いので攻めやすいです。
  • リーチして失敗(放銃)しても安手であることが多いので、点差が大きく離れていない限りリーチ打点の期待値が比較的優先されることが多いです。