清老頭(チンロートウ)

清老頭(チンロウトウ)とは?

清老頭(チンロウトウ)は、数牌(萬子・筒子・索子)の1と9のみで手牌14枚を構成し、和了に至った場合に成立する役満です。数牌の端牌(老頭牌)である1と9しか使わないため、字牌(風牌・三元牌)や2~8の中張牌は一切含まれません。親しみやすい読みとして「チンロウ」と略されることもありますが、正式には「チンロウトウ」と呼ばれます。

清老頭基本ルール・成立条件

1と9の数牌だけを使用

  • 清老頭では、萬・筒・索いずれかにかかわらず1と9牌だけで14枚を作ります。
  • 字牌(東南西北白發中)を1枚でも含めると「混老頭」になってしまい、清老頭の条件を満たしません。
  • 中張牌(2~8)ももちろん使えません。

刻子または対子を揃える(順子は作れない)

  • 1と9の数牌に連続性はないため、順子は存在しません。
  • よって、清老頭を構成するには刻子(ポン・暗刻・槓子)や対子(雀頭)の組み合わせのみになります。
  • 一般的に対々和(トイトイ)形になりやすく、または七対子(チートイツ)形で作ることも理論上可能です。

和了時に役満扱い

  • 清老頭は単独で役満に分類されます。
  • ほかの手役と複合しても、通常は役満以上の加算はなく、ローカルルールでダブル役満扱いにする取り決めもまれにあるが、一般競技ルールでは1倍役満が主流です。

清老頭の注意点

鳴き(ポン・槓)を駆使

  • 1と9牌は、通常あまり使われない&他家からすると比較的安全牌とされやすい場合もあり、捨てられやすいことも。
  • それを狙ってポンや槓で仕掛けることにより、清老頭手を短時間で完成させる確率が上がります。
  • ただし仕掛けが増えると、狙いが露骨に出る→他家が警戒して1・9を捨てなくなるという矛盾もあり、タイミングを考える必要があります。

中張牌&字牌は邪魔

  • 清老頭は1と9数牌だけで作るため、手牌やツモで引いた中張牌・字牌は速やかに処理しがちですが、序盤にそれらが多すぎると成立が遅れるリスクが大。
  • 相手に警戒されたくないときは、余り牌をどう捨てるか・どの順で捨てるかの工夫もわずかにあるが、基本的には1・9を集めるのが最優先となります。

放銃リスクとスピード

  • 清老頭を狙う過程で、安全牌として使える字牌や中張牌を持たずに攻めることになるため、他家が先制リーチなどをかけてきた場合に自分はオリにくい状況に陥りやすいです。
  • あまり時間をかけずに、鳴きを絡めて早和了を目指す方が得策となることが多い。
  • 逆に門前(チー・ポンなし)を維持すると速度は落ちるが、点数上乗せの余地(リーチは役満には無意味だが、表ドラ増など)もあり微妙なメリット/デメリットがある。

七対子(チートイツ)と清老頭

  • 14枚がすべて1と9だけの七対子形も理論上可能。
  • 実際には対々和形が多いですが、七対子の対子分割がしっかり14枚分あり、なおかつすべて1と9数牌のみという非常にレアなケースなら成立。
  • その場合は「清老頭役満+七対子(重複)」となるが、基本的に役満として1倍分に収まるのが一般的です。(ローカルでダブル役満にするかは卓次第。)

複合例:混老頭・混一色など

  • 混老頭(ホンロウトウ)は「1・9牌+字牌」で構成する役だが、清老頭は字牌を含まないので根本的に両立不可能。
  • 混一色(ホンイツ)は数牌1スーツ+字牌を使うため、同じく不可能。 清老頭はあくまで「1と9数牌のみ」という極端な縛りがあるため、通常の染め手やチャンタ系とは相容れない形といえる。