槍槓(チャンカン)

槍槓(チャンカン)とは?

槍槓(チャンカン)は、他家が加槓(カカン)しようとした瞬間(すでにポンしている刻子に4枚目を加えて槓子に変える行為)に、その加槓する牌をロン和了することで成立する一翻役です。

  • 直訳的には「槓を“奪い取る”」というイメージから「抢杠」と呼ばれることがあります。
  • 一般的に、相手が明刻(ポン)している状態で4枚目を加えようとした牌は、まだ“自家の手牌に取り込まれていない”と見なされ、ロン可能となるわけです。

槍槓の基本ルール・成立条件

加槓(カカン)の宣言時にロンする

  • 槍槓が成立するのは相手が加槓を宣言した瞬間に限られます。
    1. あるプレイヤーが他家の捨て牌をポンして、同じ牌を3枚持っている(明刻)
    2. 後から4枚目をツモ、または他家の捨て牌で加槓しようとする
    3. その加槓宣言した牌を、実は別のプレイヤーが待ちの牌として狙っていた
    4. そこで「ロン」と宣言し、槍槓が成立
  • 大明槓(他家の捨て牌で新たに4枚揃える)の場面と、暗槓を加槓に変える場面では槍槓は発生しません。 槍槓が認められるのはあくまで “明刻” → “加槓” へ変化させようとした際に限ります。

槍槓成立時はロン和了扱い

  • 槍槓で和了する際はロン(放銃)扱いになります。
  • 従って、点数の支払いは放銃者=加槓をしようとしたプレイヤーのみに集中し、ツモ和了ではありません。
  • そのため、門前清自摸和(ツモ)などの役は付きません。代わりに槍槓1翻が加算される形です。

槍槓における翻数

  • 槍槓は一翻役ですが、他の役(タンヤオや平和、リーチなど)との複合も普通に行われます。
  • リーチ後の槍槓ロンなら、リーチ+槍槓といった複合が可能です(裏ドラ判定もアリ)。
  • ただし自摸や門前清自摸和などのツモ系役は発生しないので、その分やや高打点にはなりにくいという特徴はあります。

槍槓の注意点

槓をする(される)側のリスク管理

  • ポンから加槓する場合、相手に槍槓されるリスクがあります。
  • たとえば、下家が3-6筒待ちで6筒を狙っているとき、こちらが明刻(ポン)している6筒をツモって加槓しようとすると、その瞬間にロンされる可能性があるわけです。
  • 特に終盤や危険牌を加槓する際は「槍槓される恐れはないか?」をチェックする必要があります。

槓のメリット・デメリット

  • 槓するとドラが増えるなどメリットもありますが、槍槓放銃というレアな失点リスクもある点を踏まえ、加槓判断は慎重に行うべきです。
  • 「安易に加槓すると相手の待ちに刺さるかもしれない」という心づもりを持っておくと良いでしょう。

槍槓を狙う側

  • 槍槓は、「相手が加槓できそうな明刻を持っている」かつ「自分がその牌で待っている」 という限定的な状況でしか起こりません。
  • ただし、終盤で相手が手を進めようと加槓をする場面を読んで待ち牌を変化させることは簡単ではありません。
  • 結果的に、槍槓は比較的「偶然役」の要素が強く、「狙う」というより「巡り合わせで発生する」ケースが多いです。

リーチ後の槓と槍槓

  • リーチ後の暗槓や加槓は待ちが変わらないかなど複雑なルールがありますが、相手が加槓してきたら、リーチ者としては槍槓ロンができる可能性があります(もちろん待ち牌が合致すれば)。
  • リーチ者に対して他家が安易に加槓をするのは、リーチ手に槍槓される可能性というリスクがあるため、それを避けて槓を諦めるケースもあります。

明槓時の嶺上開花や大明槓との絡み

  • 槍槓が発生するのは明刻を加槓に変えるタイミングのみで、大明槓(捨て牌を拾って新たに4枚揃える)を行った際には槍槓は適用されません。ただし、大明槓の際には「ポン→加槓」の手順が含まれず、最初から4枚集めるため“奪い取る”対象にならないと解釈されます。
  • また、加槓された側が嶺上開花を狙うときに、その加槓牌をロンで奪う—という状況は、槍槓の成立が先に優先されます。