四暗刻(スーアンコー)

四暗刻(スーアンコウ)とは?

四暗刻(スーアンコウ)は、門前(鳴きなし)で4組の刻子(暗刻)を揃え、さらに1雀頭を含めた和了形を指す役満です。「暗刻(あんこう)」とは、自分でツモって同じ牌を3枚揃える形のこと。他家からポンしている刻子(明刻)は含まれません。具体的には、暗刻×4組+雀頭(対子)の計14枚で和了するか、暗刻×3組+残りの1組を暗刻にしながら(または明刻を含みながら)といった特殊形(単騎待ち)のケースも四暗刻に含まれます(詳細は後述)。

基本ルール・成立条件

暗刻(あんこう)の定義

  • 「暗刻」はポンせず、自身のツモだけで3枚揃えた刻子のこと。
  • 1つでも副露(鳴き)している刻子があると、その面子は明刻扱いとなり、四暗刻の条件は満たしません。

門前で4組の暗刻を揃える

  • 原則として、和了時点で4つの刻子がすべて暗刻であれば四暗刻成立。
  • 雀頭を含め、計4面子+1雀頭という通常形で和了します。

“単騎待ち”の場合(四暗刻単騎)

  • 4つの暗刻が既に揃い、最後の雀頭が「対子候補1枚」の状態で、もう1枚を待つ形(単騎待ち)が四暗刻の典型例として有名です。
  • ここでその待ち牌をロンしても、厳密には「4枚目を鳴く」わけではなく、すでに4つの暗刻が完成している点から、四暗刻は有効と解釈されるのが一般的な日本麻雀のルールです。 ※ただし、一部「単騎待ちロンは暗刻が崩れる」とみなし、四暗刻を認めないルールも昔は存在したと言われますが、現代ではロンでも四暗刻OKが主流。

役満としての取り扱い

  • 四暗刻は役満に分類されます。
  • ローカルルールで「単騎待ちの四暗刻はダブル役満」「四暗刻単騎は別格」とするケースがごく一部にありますが、一般的な競技ルールでは単騎だろうと同じ1倍役満扱いです。

四暗刻の注意点

門前で刻子を集める

  • 四暗刻は鳴き不可能(暗刻が必要なので)かつ刻子4組というハードルが高く、手牌進行が遅くなりやすいです。
  • ただ、1つでも副露してしまうと“暗刻”として扱えないため、門前維持が絶対条件。鳴きたくなる状況でも四暗刻狙いなら我慢が必要です。

待ち形(単騎待ち・シャンポン待ちなど)

  • 一般に「四暗刻のテンパイは単騎待ちになりやすい」と言われますが、シャンポン待ちの形もあり得ます。
  • 例:暗刻×3組+1面子が対子×2の状態でテンパイしていて、それぞれの牌を引けば暗刻完成→四暗刻、という複合形も存在します。
  • ただし単騎待ちの方が明確かつわかりやすいケースが多いため、単騎待ちでリーチ→ロン/ツモが典型的。

リーチとの相性

  • 四暗刻は門前役なので、リーチすることも可能です。
  • リーチ四暗刻を和了すれば、役満+リーチなどになるが、通常は役満自体が最大点なので、加算翻はあまり意味がない。
  • 一方、リーチすると手替わりができない制約があるため、刻子待ちを変更して有効牌を引き込むような打牌はできなくなります。
  • 点棒状況によってはダマテンで自然に和了を待つのもアリですし、相手にプレッシャーを与えるためにリーチする選択もあります。

四暗刻単騎(スーアンコウタンキ)

  • 前述の通り、4つの暗刻を固めて、最後の対子を「1枚しかない状態」で待つ形。「単騎待ちでロンしても崩れない」という解釈がほぼ定着している。
  • ローカルで「四暗刻単騎はダブル役満」扱いする場合もあるが、正式な競技ルールでは単独1役満とみなすのが大多数。

七対子との境界

  • 七対子(チートイツ)とは構造が全く違うため、同時成立は不可能です。
  • 例えば対子がたくさんある配牌なら、途中で四暗刻になるか七対子になるか判断に迷うケースもあるが、刻子×4の手作りか対子×7の手作りか早めに方向を決めるのが吉。