一気通貫(イッキツーカン)

一気通貫(イッキツウカン)とは?

一気通貫(イッツウ)は、同種の数牌(萬子・筒子・索子)の1~9を連続した3つの順子(シュンツ)で全てカバーしたときに成立する役です。具体的には、同一種類(例:筒子)の「1-2-3」「4-5-6」「7-8-9」をすべて含む形を指します。たとえば、同一スーツ(マンズ・ピンズ・ソーズ)の「123 + 456 + 789」の3面子が手の中に揃えば一気通貫。「1-9を一直線に網羅する」というイメージから、日本語では“イッキツウカン”と読み、略して「イッツウ」などとも呼ばれます。

一気通貫基本ルール・成立条件

同一種類の数牌で「123」「456」「789」をすべて作る

  • スーツは萬・筒・索のうち1種類だけ。混在すると成立しません(たとえばマンズで123を作り、ソーズで456を作ってもダメ)。
  • 対象の順子は「1-2-3」「4-5-6」「7-8-9」の3つをすべて含むことが必須。
  • この3つの順子が別々の面子として認められる必要があります(同じ順子を2回作っても、そこに「4-5-6」が足りないなどの場合は不成立)。

門前時は2翻、副露時は1翻

  • 一般的な競技ルールでは、門前(鳴きなし)でイッツウを完成すれば2翻。
  • 副露(ポン・チー含む)が入っている場合は1翻に食い下がりするのが標準的です。
  • ただし、一部ルールや団体によっては翻数の扱いが異なる可能性があります。

一気通貫の注意点

順子系であるが、制約はそれなりに大きい

  • 1~9を網羅するため、中張牌(2~8)や字牌が多く来ると若干作りづらい面があります。
  • また、「123」「456」「789」の3連続順子が各1セットずつ必要なので、途中で面子を崩す場面も多くなるかもしれません。
  • それでも、狙いがハッキリすると集めやすいのも事実で、他家が切った牌をチーして速度を上げることも可能。

門前か鳴きか

  • 門前一気通貫は2翻なので、リーチをかければリーチ+イッツウ=3翻スタートとなり、さらにツモやドラが加われば満貫クラスにまで膨らむ可能性があります。
  • 一方、鳴いてイッツウを確定すれば1翻に食い下がるものの、スピーディにテンパイを取りやすいメリットがあります。
  • 点差状況や場の流れを見て、打点を取るか速度を優先するかを判断すると良いでしょう。

複合役との相性

  • 清一色や混一色との同時狙い 例えば、萬子に染めて「123m + 456m + 789m + ほかの萬子面子」で清一色+イッツウが成立すれば、大きく打点が上がります。ただし染め手は時間がかかることが多く、他家からの警戒や仕掛けにも留意が必要。
  • 平和(ピンフ)イッツウの構成自体は順子×3を含むため、全順子系であればピンフと複合する可能性もあります。ただし雀頭が役牌や1/9牌になるとピンフは成立しないため、注意が必要。
  • 三色同順(サンショクドウジュン)との同時成立はしない 三色同順は「同じ数字を3スーツで揃える」概念であり、イッツウは「同じスーツの1~9を揃える」概念。部分的に重複しても、一気通貫でさらに三色を作るのは構造的に難しく、実質的に両立しません。

待ち形の変化

  • イッツウ狙いはしばしば両面待ちが多くなる(123を作る途中で2-3待ち、456を作る途中で5-6待ち等)。
  • ただし途中で引いた牌が外寄り(1や9)だと、方針を変える必要が出てくることもあります。
  • 常に柔軟に、イッツウ以外の手役(タンヤオなど)に切り替える選択肢を頭に入れておきましょう。

鳴きすぎに注意

  • チーやポンを多用しすぎると手牌が丸見えに近くなり、和了牌が止められる可能性が高くなります。
  • 特に中盤以降は「イッツウ狙いだな」と他家に読まれれば、端牌(1/9)や中張牌が切られにくくなり、逆に進行が詰まることも。
  • 副露する際は、和了率と速度を秤にかけて、過剰な仕掛けにならないよう留意することが大切です。