流し満貫(ナガシマンガン)

流局満貫(ながしマンガン)とは?

流局満貫(ながしマンガン)は、対局中にいずれのプレイヤーも和了しないまま流局した際、ある特定の条件を満たしたプレイヤーに満貫相当の得点を与えるという特殊ルール(または精算方式)です。一般的に「流し満貫」とも呼ばれ、公式ルールや一部のフリー雀荘・ローカルルールなどで採用されているケースがあります。厳密には「役」ではなく流局時の点棒移動として扱われることが多いですが、実質的に満貫を獲得できるため、大きな得点源となり得ます。

流局満貫基本ルール・成立条件

流局満貫の典型条件

  • 自分の捨てた牌がすべて么九牌(ヤオチュウパイ)であり、かつ他家に一切鳴かれていないこと。
    • 么九牌とは、数牌の1・9および字牌(東南西北白發中)を指す。
    • つまり、捨て牌は全部1,9,字牌だけで、中張牌(2〜8)を1枚も切っていない。
  • さらに、そのどの捨て牌も、誰にもポン・チー・カンで使用されていない(自分の捨てた牌を誰も鳴いていない)こと。
  • (細かい扱いはローカル差があるが)流局となったタイミングで上記を完全に満たしていれば、流し満貫が認められる。

ロンやツモの発生がないまま終局

  • もちろん、途中で誰かが和了(ロン・ツモ)すれば局が終了し、流局満貫の判定自体が行われない。
  • 流局が起きる典型例:全員ノーテン、途中流局(九種九牌などの宣言流局は別扱いの場合が多い)、あるいはツモ山が尽きるまで誰も上がらない など。

テンパイ・ノーテンとの関係

  • 流局満貫はあくまで「捨て牌の条件+流局」のボーナス扱いなので、テンパイかノーテンかは関係しないルールが一般的です。
  • 流局時にはノーテン罰符のやりとりもあるが、流し満貫のプレイヤーがいれば、その人が満貫を受け取る(具体的な点棒精算方法は卓やルールごとに異なる)。

流局満貫の注意点

么九牌ばかり捨てるリスク

  • 流し満貫狙いでは、中張牌(2〜8)を捨てず、端牌や字牌のみを捨て続ける必要があります。
  • 端牌・字牌は他家にとっても比較的危険度が低い捨て牌と見なされることが多く、序盤は通りやすいが、終盤に向けて「この人、ずっと1,9,字牌しか切ってないな?」と気付かれれば流し満貫を警戒されるかもしれません。なお、あまり強く警戒されずスルーされるケースも多いが、点棒状況次第で対策してくる他家もいる。

鳴かれないようにする

  • 自分の捨てた么九牌を誰かがポン・チー・カンなどで鳴いてしまうと条件を満たせなくなる(流し満貫不成立)。
  • 發や自風牌など、他家が欲しがる可能性のある牌を捨てるタイミングには注意が必要。例えば、なるべく安全そうな牌順番(不要な風牌など)で流していく、または鳴きが入りにくそうな巡目に捨てるなど。もっとも、これもあくまで運の要素が強い。

スピードと妨害

  • 他家が早アガリを狙っている場合、流し満貫する前に決着がついてしまう。
  • 特に先制リーチや鳴き速攻が来た場合、自分は放銃しないようオリたいが、オリるための安全牌が欲しい… ただし2~8を捨てると流し満貫が壊れる。
  • こうした兼ね合いで対応が難しい場面もある。状況を見て流し満貫を断念する覚悟も必要。

鳴きが入ってもセーフ?(ローカル差)

  • 一部のルールでは「自分が捨てた牌が一度でも他家に鳴かれたら流し満貫は不成立」とする(最も一般的)。
  • ごく一部で「副露されても、その牌が么九牌であればOK」とする変則ローカルがあるらしいが、かなりマイナー。

同時に複数人が流し満貫条件を満たした場合

  • 複数人がすべて么九牌しか捨てておらず、いずれも鳴かれていない…という稀なケースでは、それぞれに流し満貫が認められる場合が多い。
  • 二重、三重の流局満貫が同時に起きることも理論上はあるが、実際は非常に稀。