一発(イッパツ)

一発(イッパツ)とは?

一発は、日本麻雀でのみ成立する「偶然役」の一つで、1翻として扱われます。 ただし、単独では成立せず、立直(リーチ)をかけた人のみが得られる可能性のある役です。 一発が付くと、和了時の翻数が +1 されるため、たとえ安い手でも大きな得点アップにつながることがあります。

一発が成立するための条件

立直を宣言した直後から、次の自分のツモ番までに和了すること

  • 立直宣言した巡の「捨て牌の直後」から、リーチ者自身が次にツモを引くまでの間(1巡以内)に和了できれば一発が成立します。
  • 他家の捨て牌でロン和了する場合でも、リーチ後1巡以内ならOKです。
  • 自分の次のツモ牌でツモ和了した場合も、まだ一発有効範囲内です。

副露(ポン・チー・明カンなど)が入らないこと

  • リーチ後に、いずれかのプレイヤー(自分を含む他家全員)がポン、チー、明カンを一度でも行うと、その時点で一発の権利は消滅します。
  • 暗槓(アンカン)についてはルールによりますが、多くのルールではリーチ後に自分が暗槓を宣言しても一発が消滅すると扱うケースが一般的です。鳴きではありませんが、「行為として1巡を進める(副露扱いに準ずる)」という考え方があるためです。
  • ただし一部ローカルでは「暗槓なら消えない」とするところもありますが、公式競技ルールなどでは暗槓しても一発は消えるのが基本です。

「1巡目」を過ぎると一発はつかない

  • リーチをかけてから、自分の次のツモ番が過ぎると一発の成立チャンスは終了です。
  • 1巡以内に和了できなければ、その局で一発がつく可能性はなくなります。
  • 他家の鳴きが入った場合はそこで消滅するため、実質的には1巡目を待たずして一発は無効化されます。

一発の特殊な状況

ダブル立直(ダブリー)時の一発

  • ダブル立直とは、配牌または第一ツモのみでテンパイした場合に行うリーチです。役自体が2翻扱いになりますが、同時に「一発」も狙えます。
  • ダブルリーチの場合、他家がまだほとんど捨て牌をしていないため、一発が成立しやすい反面、鳴きで即座に消される可能性もあります。

フリテンリーチ(一部待ちがフリテン)

  • フリテンリーチでも一発自体は成立し得ますが、フリテン待ちでは他家の捨て牌をロンできません(ツモのみ)。
  • そのため、一発狙いといっても出和了(ロン)が期待できない分、不利なことが多いです。

一発と海底・河底などの偶然役との兼ね合い

  • 一発はリーチ後1巡しか効力がないため、局の終盤(山の残りが少ない)では成立しにくいです。
  • もし海底(ハイテイ)付近でリーチしたとしても、実質的に一発の抽選は1巡も回らず終わるケースが多いです。

一発見逃しの問題

  • リーチ後、他家が捨てた牌を「安目だから見逃す」ような高度な駆け引きをする場合、一発はその瞬間消滅します(和了機会を自らスルーするため)。
  • 見逃しをすると一発どころか、その後は振聴(フリテン)扱いとなり他家からのロンはできなくなるので、実践では滅多にしない選択です。